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輻射式 含浸プラント設備

人の生活を豊かにします

コンピューター、スマートフォン、自動車の制御、ナビゲーションシステムなど皆さまの生活を豊かにする全ての電子機器に使われる基盤。
そのもととなる『プリプレグ』と呼ばれる原材料を生産する設備です。 皆さまが手にする製品が目覚しい進歩を遂げているのは、この設備の進歩とこの設備で作られるプリプレグも進歩を遂げているからなのです。
含浸プラント設備

含浸プラント

厚さ0.1mmにも満たないガラスクロス(基材)に有機溶剤で薄めた樹脂(ワニス)を含浸させ、熱をかける事で溶剤を揮発させ、樹脂を硬化させる。
巻出装置~巻取装置までを全自動で張力制御し、アキュムレーターを配置することで連続運転を可能にしております。
製品の仕上がり精度は厚さ±0.003mm未満を実現しております。

●プレ含浸装置

プレ含浸装置

●本含浸装置

●本含浸装置

SEC含浸プラントの特長

歪み・ムラのない
良質プリプレグが得られます

1. 製品の歪みが小さい

ウエブのテンションを最小限にして運転することにより、織目の横糸のズレ(目ズレ)や縦糸のズレ(幅方向の縮み)が極めて少なく、歪みの小さい良質の製品プリプレグをつくることができます。

2.樹脂・基材の特性に合せ均一に塗布

プレ含浸装置でウエブ繊維内の空気を充分に排出させた後、ローテンションで、樹脂を基材に充分にかつ均一に浸透させます。さらに精度の高いスクイズロールを使用して均一な樹脂の塗布を行います。樹脂や基材の性質に 応じて、最適な塗布方法の工夫がなされています。

3.ウエブにかかるテンションの制御

  • ●各ロールのなかでも特に反転ロール数を少なくしています。
  • ●運転中でも容易に調整できる巧妙なテンション・コントロールを採用しています。
    (空圧制御方式。タッチパネル上でのダンサーコントロールシステム)
  • ●プロセス全行程にわたって均一なテンショ ンを得るようにしています。
    (駆動ロール間に必ずダンサーロールを設置。ロール速度調節とテンション・コントロールの巧みな組合せ)

SEC含浸プラントのプロセス

当含浸プラントはSECが取得した日本及び海外の特許、実用新案によって保護されています。
SEC含浸プラントのプロセス図

1. 巻き出し装置

2軸ターレット式を採用。ウエブのリールに、シャフトレス式支持金具で紙菅全体を支持。シャフトの落とし込みで容易にセンタリングができます。巻き出しテンションは、ベクトルインバーターモーターと空圧制御機器で設定します。
SEC含浸プラントのプロセス図

2.接着装置

ウエブ両端の接着は、ホットメルト・テープをセットして始動ボタンを押すだけ。後は自動的に進行します。
接着装置

3.アキュムレータ

ウエブ両端の接着時に必要なウエブを貯留する装置。接着時のみ貯留したウエブを繰り出すことにより、接着動作中もウエブの流れを停止することがなくスムーズに行えます。
ウエブの張力は任意に設定することができます。
アキュムレータ

4.引込装置

テンション調整装置を装備。タッチパネル上で容易に連続的にテンションを加減できます。またウエブ両面にイオンエアを吹付けて静電気除去すると共に、除塵も両面から空気吸い込みで行なっています。

5.プレ含浸装置

ウエブ下面から樹脂を塗布し、ウエブ内の空気をスムーズ排出させます。多様な製品に対応するため、キッスロールは順回転、逆回転及びフリー回転いずれも可能。フライロールの位置変更で、プレ含浸の時間、圧力の調節も容易です。
塗布後の毛細管現象を利用したウエブ中のボイド排出のためのタイミングを確保するため、昇降式タイミングロールを設けています。
プレ含浸装置

6.含浸装置

ウエブに樹脂を含浸させるプラントの中枢で、樹脂ワニスを一定の粘度に自動的にコントロールする装置を有しています。最小限の数のタイミングロールで、充分なディップ時間を確保しているので、目ずれや気泡の持ち込みも、ほとんどありません。また、ウエブの継ぎ目では自動的に正回転してスクイズロールを通過させ、過大な樹脂付着やトラブルを防ぎます。
含浸装置

7.竪型輻射式硬化炉

樹脂を含浸されたウエブは、輻射パネルにより両面から遠赤外線による輻射熱で乾燥・硬化されます。輻射パネルは高精度の成形パネルで、内部を温度制御された熱媒体油が循環し ます。パネル全面にわたって均一な表面温度を保ち、ウエブをムラなく効率的に乾燥・硬化し、しかも異物混入のない高品質プリプレグが製造できます。

8.給気シール

所定の温度に加熱されたフレッシュ空気を、炉内幅方向に均一に供給し、かつ、トップロールチャンバとのガスシールを行います。

9.乾燥・硬化炉

ウエブ全体に輻射熱を均一に与え、さらにウエブに沿った空気の流れにより、接触熱をも与えます。

10.排気シール

炉内の排ガスを炉幅方向に均一に排出し、かつ、外気とのガスシールを行います。

11.トップロール・チャンバ

冷却ゾーンを設けて、冷風でいったんウエブを冷却します。駆動する冷却ロールでウエブをロール表面に付着させずスムーズに反転します。

12.EPCコントロールユニット

エアノズルセンサーで常時ウエブのエッジポジョンを検出し、硬化炉出口のEPCロ-ルユニットにてウエブの蛇行を防止し、常にウエブがロールの中心位置を走るようにします。
EPCコントロールユニット

13.冷却装置

ウエブを正確にテンション・コントロールしながら引き出して冷却します。テンションの設定も容易に連続的に変更可能です。
冷却装置

14.セカンド・アキュムレータ

巻取装置のリール変更時に、一時ウエブを貯留するための装置です。
セカンド・アキュムレータ

15.引出装置

セカンド・アキュムレータから、ウエブを引き出します。

16.巻取装置

巻取装置のリール変更時に、一時ウエブを貯留するための装置です。
巻取装置 巻取装置

17.切断装置(オプション)

カッティング装遇の回転上刃をウエブよりも高速で回転させ下刃は固定で上刃を数値制御(NC制御)して回転させ正確な切断長さを瞬時に設定できます。
巻取装置

18.積載装置(オプション)

エアクッション方式の積載装置で薄物でも傷めることなく正確かつ迅速に積載できます。(極薄物用キャリヤアームはオプション)
巻取装置

堅型輻射式硬化炉の特長

高密度遠赤外線による輻射加熱方式です。

1.遠赤外線による輻射加熱で高効率

多くの樹脂には遠赤外線の波長域で顕著な吸収帯があります。SECの輻射式硬化炉はこの原理を応用したもので、遠赤外線による輻射熱で樹脂塗膜の内部から加熱するため、迅速かつ効率的な乾燥・硬化が行われ、高速度の生産が可能です。

2.樹脂の反応特性に応じた運転制御

加熱媒体の温度を直接制御するため、速い応答性の運転ができます。また輻射パネルは炉内で複数のゾーンに分割されており、それぞれのゾーンで精密な温度制御を行うことにより、樹脂の反応特性や製品の品質特性に応じた運転ができます。

3.塗膜の乾燥・硬化が均一かつ安定

輻射パネルの表面温度は極めて均一かつ安定。さらに温度コントロールされた給気を炉内幅方向に均一に供給するので炉内の温度分布もムラがありません。遠赤外線による輻射熱エネルギーはウエブ表面全体に均一に吸収され内部まで浸透するので樹脂塗膜は極めて均一に乾燥・硬化されます。

4.表面にヨゴレや異物の付着がない

熱風の強制吹付け方式にみられるような製品表面に樹脂ミストなどの異物付着がなく、製品の表面仕上り精度が著しく向上。不良品発生率も低く、品質が安定しており、生産歩留りが上がります。

5.極薄材料の生産にも適する

風圧によるウエブの大きなバタツキもありません。また炉内に突起物がない構造なのでウエブの接触や過度のテンションによる基材の織目の目ズレなどのトラブルもありません。
従って極薄プリプレグの生産にも最適です。

6.整備のためのプラント停止がない

熱風の吹付けノズルのように樹脂の固着・堆積による経時変化的な性能低下や、炉内の清掃のための頻繁なプラントの長時間停止の必要もありません。プラントの稼働効率が大きく向上します。

7.省エネ効果の高い設計思想

排熱損失を抑え、最大限に熱利用するシステムをとっています。また輻射パネルは保温効果を高めるため特殊な構造をとっており、モジュール設計にて広範囲のプラント能力にも自由に対応できます。

ご照会に際して

ご照会に際しては下記のPDFをご覧下さい